
複雑形状の外観検査が難しい理由とは?
製造現場の外観検査では、キズや汚れ、異物などの表面状態だけでなく、製品の形状や寸法、凹凸などを確認するケースがあります。
製造現場の外観検査では、キズや汚れ、異物などの表面状態だけでなく、製品の形状や寸法、凹凸などを確認するケースがあります。
特に、段差や凹部、曲面などを含む複雑な形状のワークでは、カメラで撮影した画像だけでは安定した検査が難しくなることがあります。
「カメラの解像度を上げれば見えるのでは?」と考えがちですが、問題は解像度だけとは限りません。
複雑形状の外観検査では、そもそも検査に必要な情報をカメラで取得できているかを考えることが重要です。
この記事では、複雑形状の外観検査が難しくなる理由と、検査方法を検討する際のポイントを解説します。
1. 複雑形状では「見えない部分」が生まれる
外観検査をカメラで行う場合、まず考える必要があるのが、検査したい部分を実際に撮像できるかということです。
平面的なワークであれば、カメラから見える範囲と検査対象が比較的一致します。
一方、立体的なワークでは、段差や突起、凹部、側面などによって、カメラから直接見えない領域が発生します。
例えば、深い凹部の内側や段差によって隠れる部分にキズや欠けがあった場合、正面から撮影した画像だけでは確認できません。
この場合、単純にカメラの解像度を上げても、見えない部分そのものが見えるようになるわけではありません。
「細かく撮影する」ことと、「検査したい場所を撮影できる」ことは別の問題です。
そのため、複雑形状の外観検査では、ワークの形状を考慮して、どの方向からどの範囲を撮像する必要があるのかを検討することが重要になります。


2. 同じ形状でも「見え方」が変わる
複雑形状の検査を難しくするもう一つの要因が、照明や表面状態による見え方の変化です。
一般的な2D画像では、ワーク表面を平面画像として捉え、色や明るさ、コントラストなどの違いから欠陥を判別します。
しかし、凹凸や段差があっても、照明の方向や角度によって十分な明暗差が生じなければ、画像上では形状の変化を判別しにくい場合があります。
さらに、金属や光沢のあるワークでは、表面反射によって本来確認したい部分が白く飛んだり、反射による明暗が欠陥のように見えたりすることもあります。
つまり、外観検査ではカメラの性能だけでなく、
・ワークの形状
・材質や表面状態
・照明条件
・カメラの設置方向
などを含めて撮像条件を考える必要があります。
まずはお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら3. 2D画像だけでは捉えにくい「高さ・奥行き」
ここで重要になるのが、検査に必要な情報が何なのかという考え方です。
2D画像では、基本的にワーク表面の色や明るさなどを平面上の画像として捉えます。
そのため、実際には高さが異なっていても、表面の色や明るさ、コントラストなどに十分な差がなければ、その違いを画像上で判別しにくいことがあります。
例えば、
・わずかな凹み
・盛り上がり
・段差
・反り
・高さの違い
・形状の変化
など、形そのものの変化を検査したい場合です。
このような検査では、色や明るさだけでなく、高さや奥行きといった立体的な情報が必要になる場合があります。
ここで押さえておきたいのが、「画像として見えている」ことと、「検査に必要な情報が取得できている」ことは同じではないという点です。
外観検査では、「どれだけ高性能なカメラを使うか」だけでなく、
何を検出するために、どのような情報が必要なのかを考えることが重要です。
4. 複雑形状の検査では「3D」が有効になるケースがある
では、複雑形状の外観検査ではどのような方法が考えられるのでしょうか。
その選択肢の一つが、3D外観検査です。
3D検査では、2D画像だけでは捉えにくいワークの高さや凹凸など、立体形状に関する情報を取得できます。
そのため、
・凹凸の有無を確認したい
・高さの違いを検出したい
・反りや変形を確認したい
・平面画像だけでは判別しにくい形状異常を検出したい
といった検査では、3Dによる形状情報が有効になる場合があります。
ただし、「複雑形状なら3Dを使えばすべて解決する」というわけではありません。
例えば、ワークのすべての面を検査する必要がある場合には、
どの方向から撮像するか、どこに死角が生じるかといった点も考える必要があります。
3D検査を選択する場合も、検査対象の形状や検出したい欠陥に合わせて、撮像方法そのものを検討することが重要です。
また、複雑な形状では一方向からの撮像だけでは死角が生じる場合があるため、必要に応じて複数方向からの撮像を検討することも重要です。
5. 複雑形状の外観検査は「必要な情報」を考えることから
複雑形状の外観検査では、単純に解像度の高いカメラを選べばよいとは限りません。
まず、
・どこを検査するのか。
・何を検出したいのか。
・そのためにどのような情報が必要なのか。
を整理することが重要です。
色や明るさの違いで検出できる欠陥であれば、2D画像による検査が適している場合があります。
一方、凹凸や段差、反りなど、形状そのものの変化を検出する必要がある場合には、3Dによる高さ情報が有効な選択肢になります。
シーマイクロでは、3Dラインカメラを用いた高さ情報の取得だけでなく、検査対象や検査条件に合わせた3D検査システムの構築にも対応しています。
重要なのは、最初から「2Dか3Dか」を決めることではありません。
検査対象に対して、必要な情報を安定して取得できる方法は何か。
この視点から検査方法を考えることで、複雑形状の外観検査に適した構成を検討しやすくなります。
複雑形状の検査で
「2D画像だけでは判定が難しい」「高さや凹凸をどのように検出すればよいかわからない」という場合は、
まず検査に必要な情報を整理してみることが、解決への第一歩です。
実際の検査性能は、ワーク特性、搬送条件、照明構成、装置仕様など複数の要因により変動します。
個別条件に合わせた最適化についてはご相談ください。


