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ラインスキャンカメラとエリアカメラの違い②

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ラインスキャンカメラ
ラインスキャンカメラとエリアカメラの違い②
ー高速条件下で想定される主な要因ー
 

1. 条件整理から始める高速撮像

前編では基本的な撮像構造や設計の考え方を整理しましたが、現場で最も悩ましいのは「高速搬送や連続搬送条件下で、どう設計するか」です。
単純にカメラのフレームレートを上げれば解決、というわけではありません。
 
高速撮像では、露光時間、光量、対象物の動き、照明条件といった要素が互いに影響し合い、ちょっとした見落としで検査精度に大きな差が出ます。
 
例えば、搬送速度が速い食品ラインや自動車部品ラインでは、 同じカメラでも設定次第で
・映像が暗い
・モーションブラーで欠陥が見えない
・ノイズが目立つ
といった現象が起きます。
 
まずは現場の条件を整理し、「どの条件がボトルネックになりうるか」を明確にすることが安定運用への第一歩です。

2. 露光時間と光量の関係

フレームレートを上げると、1フレームあたりの露光時間は必然的に短くなります。
例えば、1,000fps(フレーム毎秒)の設定では、1フレームの露光時間は1ms以下になることも珍しくありません。
露光時間が短くなるとセンサーに届く光の量も減少し、これを補うためにゲインを上げるとノイズも増えます。
 
ここで重要なのは、設計段階で「露光時間・照度・許容ノイズ」のどこに基準を置くかです。
 
・明るさを優先するなら照明を増やす
・ノイズを最小化したいなら露光時間を確保する
 
というように、何を優先するかを現場条件に合わせて決める必要があります。
また、照明の種類によっては高フレームレートに追従できないものもあるため、カメラだけでなく照明も含めたトータル設計が求められます。

 1-2 Line Area.jpg

露光時間と光量の関係図

3. 被写体速度とブレ許容値

高速搬送物を撮影する場合、対象物の速度と許容できるモーションブラーの関係も整理しておく必要があります。
例えば、搬送速度が1秒間に100mmの場合、露光時間を1msに設定すると、撮像対象は0.1mm移動してしまいます。
これが許容範囲を超えると、傷や欠陥がブレて検出できなくなります。
 
許容ブレは、検査対象のサイズや欠陥の最小判定単位によって異なります。
大きな欠陥であれば多少のブレは許容できる一方、小さな微細傷や印字欠けなどを検出する場合は、露光時間をさらに短縮するか、ストロボ照明で瞬間的に光を当てる工夫が必要です。
高速撮像では「ブレをゼロにする」のではなく、「許容範囲を見極めて設計する」ことが現実的かつ安定的なアプローチです。
2-3 Line Area.jpg

4. センサー構造と照明設計

カメラのセンサー構造も高速撮像では重要です。
ローリングシャッター方式ではラインごとに露光時間がずれるため、高速で動く対象物では歪みが発生します。
一方、グローバルシャッターでは全ラインを同時に露光できるため歪みは抑えられますが、感度やノイズ特性とのバランスを考慮する必要があります。
 
さらに照明も単体で考えるのではなく、露光時間やシャッター方式と組み合わせて設計することが求められます。
例えばストロボ照明は、発光時間が露光時間と合致していないと十分な明るさが得られず、理論通りの性能が出ません。
撮像系は「センサー+レンズ+照明+搬送速度」の総合的なバランスで設計することが安定運用の鍵です。

2-4 Line Area.jpg

5. 条件整理が安定運用の鍵

高速撮像は「フレームレートが高い」という単一の指標だけでは整理できません。
露光時間、光量、被写体速度、許容ブレ、センサー構造、照明条件などが複雑に絡み合います。
仕様書の数値だけを比較するのではなく、実際の使用条件や現場環境を前提に整理することが、安定した結果を得るために不可欠です。
 
シーマイクロでは、現場の搬送速度や照明環境、検出対象の特徴にしっかり向き合い、無理のない構成を組み立てることを大切にしています。
高速条件下でも「安定して欠陥を検出できる」構成にするには、まず条件整理を丁寧に行うことが重要です。
数字だけではわからない、現場感覚を含めたトータル設計が、高速撮像を成功に導くポイントです。

※ 本記事は一般的な検査設計の考え方を示したものです。
実際の検査性能は、ワーク特性、搬送条件、照明構成、装置仕様など複数の要因により変動します。
個別条件に合わせた最適化についてはご相談ください。 

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