CMOSセンサとCCDセンサの違いとは

「CCD」と「CMOS」は、共に光を電気信号に変える光電変換と呼ばれる性質（光電効果）を持つ半導体デバイスです。半導体デバイスが撮像に使われる前は、撮像管と呼ばれる真空管の一種が使われていましたが、1960年代に半導体が光電効果を持つことがわかったのをきっかけに、PD（Photo Diode）で光量を電気信号に換えて転送することにより、撮像素子として使う研究が進みました。
1982年に高画質のCCD（Charge Coupled Devices 電荷結合素子）がビデオカメラ用撮像素子として製品化され、CCDが市場を席巻しました。その後はCMOSの高画質化が進み、現在では産業用も含め、市場で出回っているカメラのほとんどはCMOSセンサを使っています。このコラムでは、CCDセンサとCMOSセンサの原理を簡単に述べた後、この２つの違いと現在の市場状況について解説します。

CCDセンサとは

CCDでは、個々のピクセルに蓄積した電荷を、転送CCDを使ってバケツ･リレーのように出力回路に転送して読み出し、出力部で電荷を電圧変換します。特長としては、高画質（ノイズが少ない）、画像歪みが無いなどが挙げられます。一方欠点としては、高い電圧での駆動が必要となるため、消費電力が大きい、周辺より極端に明るい被写体を撮影した際に、白かぶりと呼ばれる垂直、あるいは水平方向の白っぽい帯が見えることが挙げられます。

CMOSセンサとは

CMOSセンサでは、個々のピクセルが独立して電荷を増幅し、電圧変換する回路を持ちます。CMOS センサは汎用半導体デバイスとプロセスを共有でき、低価格化が図れることから、1990年代に商品化されました。ただ、個々のピクセル毎に光電変換することから、画素間の出力のばらつきがある、という欠点があり、低画質の撮像デバイスでも良い場合でしか使われて来ませんでした。
ところが近年PDの高出力化、低雑音化、裏面照射技術の導入などにより、S/N（信号のノイズに対する割合）がCCDをしのぐCMOSセンサも出現し、低価格、電源設計が容易などの理由から2000年代後半からは、コンシューマ用のカメラでは、CMOSの方がCCDよりも多く使われるようになっていきました。

CCDセンサとCMOSセンサの違い

CCDセンサとCMOSセンサの特徴を以下の表に簡単にまとめます。

画質以外の項目は全てCMOSセンサが優っていることがわかります。

産業用カメラでもCMOSセンサが主流に

値段の安いCMOSセンサの高画質化が進んだことで、2000年代に入ってまずコンシューマ用のデジタルカメラでCMOSセンサの採用が進みました。
その後ラインスキャンカメラを含めた産業用カメラの分野でも、まず早いスキャンレートが必要とされている分野からCMOSセンサの導入が進み、その後スキャンレートが低くて良い用途でも低価格と消費電力の少なさなどからCMOSセンサが選ばれるようになりました。現在では、ほとんどの産業用カメラにCMOSセンサが使われています。

まとめ

現在、シーマイクロのシリコンのセンサを使ったラインスキャンカメラの汎用品の中でCCDを使っているのは、CMシリーズの2機種（1024画素のCMB100H、及び2048画素のCMB200H)と高感度の縦長画素を使った2048画素のHOB200Hだけで、他は全てCMOSセンサを使っています。
シーマイクロは、1024画素から16384画素までの様々な画素数のモノクロ、カラーのラインスキャンカメラを取り揃え、インタフェースもカメラリンクの他にCoaXPressやGigE Visionの用意があり、またお客様のニーズに応じたカスタム化も得意です。まずは、お客様のニーズに合うラインスキャンカメラがあるか、製品一覧のページをご覧いただきたいと思います。

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