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画像センシングの基礎知識

外観検査で使用されるセンサや技術、用語などをわかりやすく解説しています。
記載にない内容でも、お気軽に当社までお問い合わせください。

イメージセンサ

CCDセンサとCMOSセンサの違い

「CCD」と「CMOS」は、共に光を電気信号に変える光電変換と呼ばれる性質を持つ半導体デバイスです。CCDもCMOSも、まず入射した光をフォトダイオードで光電変換し、蓄積した電荷を読み出します。
最初に普及したのはCCDです。CCDでは、個々のピクセルに蓄積した電荷を、転送CCDを使ってバケツ・リレーのように出力回路に転送して読み出し、出力部で電荷を電圧変換します。一方CMOSでは、各々のピクセルが独立して電荷を増幅し、電圧変換する回路を持ちます。

CMOS センサは汎用半導体デバイスとプロセスを共有でき、低価格化が図れることから、現在では民生用のカメラに使われるエリアセンサはほとんどCMOSになりました。ラインセンサにおいても、高速化の要望を満たすためCMOSセンサが広く普及してきましたが、高画質を要求される特定分野においては今でもCCDセンサが使われています。

ラインセンサ

ファクシミリやコピー機のデータ読み取りセンサと原理や考え方は同じです。
撮像素子を線(ライン)状に高密度配置したセンサです。素子数は(当社では)512から16,384まであります。無地検査を中心としたモノクロタイプと、印刷検査などの色検査で使われるカラータイプのセンサがあります。最近では、近赤外線対応のラインセンサも使われるようになってきました。

マルチラインセンサ

複数ラインを持つラインセンサの事を言います。
例えば2ライン分のピクセルの出力を足し合わせて出力するセンサでは、各ピクセル2倍の感度が得られます。
 一方、2ライン以上128ライン程度までのライン数(段数)を持ち、進行方向に電荷を転送して行き、段数分足しあわせた電荷を出力するというTDI(Time delay Integration)と呼ばれる方式があります。段数に応じてピクセルの感度やS/Nが大きくなると共に、ピクセルの大きさが変わるわけではないので、流れ方向の解像度は変わらないというメリットがあります。ただし電荷の転送を検査対象(ワーク)の流れ方向の速度と同期を取る必要があります。

ビニング

センサの隣り合った2つのピクセルをまとめて1ピクセルと見なして感度を上げる方法です。
画素数は1/2になりますが、撮影時間は伸ばさず、感度を2倍に上げることができます。走査方向のビニングを水平ビニング、流れ方向のビニングを垂直ビニングと呼びます。

カメラによる検査

エリアカメラとラインスキャンカメラの違い

エリアカメラは、撮像素子が縦横の面状に並べられ、2次元の矩形の画像を得ることが可能なエリアセンサを使用しています。つまり民生用のカメラはみなエリアセンサを使っています。

一方ラインスキャンカメラは、ラインセンサを使用しているカメラで、ラインとして捉えた画像を連続的に取り込むことができます。以下にエリアカメラとラインスキャンカメラの撮像の様子を示します。ラインスキャンカメラでは、ラインの画素を多くして非常に分解能の高い画像を得ることが可能です。さらにエリアカメラで必ず発生するフレームのつなぎ目処理が必要無く、高速で連続して流れる検査対象(ワーク)を検査するには非常に適したカメラといえます。ラインスキャンカメラはラインカメラ、あるいはラインセンサカメラとも呼ばれます。

エリアカメラとラインスキャンカメラの違い

ラインスキャンカメラが使用されている分野

主に工業製品や食料品の素材、加工品の検査に使われています。工業製品では、シート状の物やロール状の物など、2次元展開できるものであれば検査対象となります。包装材のフイルム、PET、鏡、液晶テレビの硝子、壁紙など、日常生活で使われている製品の素材段階で、破損やピンホールを見つける検査に主として使われています。

一方、食料品としては、米、穀物、茶葉、海藻、ナッツなどの素材、さらに加工されたドライフルーツやカット野菜などの検査などにも使用されています。

カラーのラインスキャンカメラはどのように実現するのか

カラーのラインスキャンカメラを実現するには、主に2つの方法があります。
一つは、ラインセンサをR、G、Bの3色に対応して3本用意し、それぞれのセンサに各々R、G、Bの波長の光だけを通すフィルタを装着して撮像するトライリニア方式。この方式は比較的安価に製造できますが、3ラインの位置のずれを補正するために、検査対象(ワーク)の動きと同期して各色ライン出力を遅延制御する必要があります。

色情報取得のために複数ラインを用いる方法には、上記のトライリニア方式以外に、Bayer配列と呼ばれる特殊なフィルタを装着する事により、2ラインでもカラー画像の取り込みが可能な2ライン方式などもあります。
もう一つの方法は、次の「プリズムカメラ」の項で説明する、ダイクロイックプリズムを用いる方式です。

プリズムカメラ

入力光をプリズムを使ってR、G、Bなどの異なる波長に分光する機能を持つカメラの事を言います。下図に示すように、入力光をR、G、Bの3色に分光するプリズムを持つカメラを例に取って説明します。

1ラインの入力光は、特定の波長帯域の光だけを透過させて、残りの波長帯域の光を反射させる性質を持つダイクロイックプリズム*)によって、R、G、Bの3種類の波長に分光されます。分光された光はプリズムの出力面に貼り付けられたセンサで受光されます。同じ1ラインの入力光を分光するためRGB3色間の色ずれが無く、非常に画質の良い映像を取得する事が可能ですが、プリズムを使うため、一般的にカメラは高価になり、またサイズも大きくなります。
*)ダイクロイックプリズム:ある波長帯域の光を透過させて、残りの波長帯域の光を反射させるプリズムです。

プリズムカメラ

近赤外線は何の検査に使われるのか

可視光(380nm~780nm)より長い780nm~2500nm位の波長の光は近赤外線と呼ばれます。近赤外線は、可視光では透過しない物質を透過したり、物質により異なる特定の波長を吸収したりする性質があります。この性質を利用して、可視光では区別できない物質の検出に用いられています。

照明はどのようなものを使うのか

一般的には蛍光灯を用いるケースが多く見られますが、検査対象や仕様により、ハロゲン照明やLED照明、その他特殊照明を使用する場合もあります。

CoaxPressインタフェースの特徴

CoaXPressインタフェースは、同軸ケーブル一本で6.25Gbpsの高速ビデオ転送(Version 1.1の場合)、通信制御、電源供給を行える、カメラとフレームグラバ間の通信規格です。この規格は、2009年に日本のJIIA(日本インダストリアルイメージング協会)により提唱され、2011年に国際規格として承認されました。

柔軟な接続構成がとれる同軸ケーブルで170mのケーブル長(1.25Gbpsの場合)を実現できます。さらに複数のケーブルを用いることにより、例えば2本の同軸ケーブルでは12.5Gbpsのビデオ転送が可能となります。

3Dラインプロファイルカメラはどうやって高さを計測するか

3Dラインプロファイルカメラは、ライン状のレーザー光を検査対象(ワーク)に照射し、反射光が受光されるセンサ上の位置により高さを計測する、光切断法という方法を使って高さを計測します。簡単な原理図を以下に示します。

3Dラインプロファイルカメラはどうやって高さを計測するか

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